無肥料栽培を実現する本 第4章害虫編 アブラムシの仕事
技術資料
2020/05/02
- アブラムシは、植物が持つアミノ酸を摂取為に集まる。
- アミノ酸は若芽の部分に多く存在するので、アブラムシは成長点を食い荒らす。
- アブラムシが集まる株の隣の株は無傷になる。
- 植物は虫食いに遭うと「周りにそのことを知らせるという力」があるようである。事実、植物が持つエンドファイトと呼ばれる微生物は、そのような動きをするようである。結果的に、飛び飛びに無傷の株が残る。
- これにより、アブラムシが間引きをしているのではないかという推測が成り立ち、彼らこそ野菜の栽培者ではないでしょうか?
- アブラムシを駆除した株は、そのことを周りに伝えることが出来ず、生き残ったアブラムシが翅アブラムシを産み、翅アブラムシは隣の株へと移っていき、結果全滅させてしまう可能性がある。
- 人間が、適切なタイミングで間引きを行えばよいが、虫食いを減らしたかったら、隣同士の根と根が絡みあう前に人為的に間引きを行うこと。
- 冬野菜などの定植を急ぎ過ぎた場合もアブラムシが集まるが、これは早すぎる成長を停止させる為に、いったん成長点を食べてしまっているのではないでしょうか?
- ソラマメなどにも大量のアブラムシが集まりますが、成長点を食べることで、背丈を伸ばすという「栄養成長」から、種をつける「生殖成長」への切り替えをアブラムシがやっていると考えられる。こう考えると、アブラムシは栽培者の素晴らしいアシスタントとも言える。このアシスタントがやり過ぎないように、人間が管理する必要がある。
- つまり、適切なタイミングで間引きする、或いは必要のない葉を落とす、定植の時期を守る。
- 早く定植する必要がある場合は、アブラムシが成長点を食べにやってくる前に、寒冷紗などをかけてアブラムシの飛来を遮ると同時に、寒冷紗によって光を少し弱らせ、光合成のスピードを遅らせる。
- マメ科に関しては、アブラムシが来たら摘芯を行う、所謂成長点を切り落とし、アブラムシの仕事を先んじ、アブラムシの仕事を無くという対処方法を行う。
- びっしりとアブラムシが集まった場合は、うどん粉、石鹸、油脂などでアブラムシの側面にある空気穴を塞ぐ等の処理をして個体数を減らす方法もある。これは、アブラムシを捕食する虫がいないので、代わりに人間が行うというスタンスです。
- 何れにせよ、アブラムシも理由があって飛来するので、理由を推測し、アブラムシの仕事を先回りするという方法が適切でしょう。
その他、虫対策 を参考にして下さい。